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2012.03.30

また間があいてしまった…


一応、罪滅ぼしのつもりで貼っておきます。

もうかれこれ1ヶ月ぐらい前のことですが、
「字幕翻訳者が選ぶオールタイム外国映画ベストテン」の出版を記念したトークショーに行きました。
戸田さん、菊池浩二さん、石田泰子さま(←私が一番好きな翻訳者で、目標としているお方)という
字幕界のピラミッドの頂点にいらっしゃる方々から見えている景色は、
ピラミッドの底辺で丸太に乗っけた石を運ばされている私(ウソ、言い過ぎた)から見える景色とは
随分と違っているようで、ところどころ遠い目になってしもたよ。

とはいえ、そんな中でも私が深くうなずいたのは、
「映画が面白くないと思ったときは、そもそも映画の出来ではなく、
字幕がよくない可能性があることを疑え」といった趣旨のこと。

ときどき映画祭の短編にひどい字幕がついていることがあって
そういうのを目にすると作品自体が粗末に扱われているようでとっても悲しい。
そんでもって、出口付近で「ワケ分かんない映画だったね」なんて
話し声が聞こえた日にゃ、関係者でもなんでもないくせに
「あの字幕のせいで、この映画のことを嫌いにならないであげて~」って言いたくなる。

逆に言うと、私のせいでそうなる可能性もあるわけで、それは常に肝に銘じているつもりだけど、
こればっかりは、必ず努力が報われるとは限らないので、そのときはすみません。


なので、なっちもたまにはいいこと言うじゃん、って思ったんだ。
思ったら続けて彼女はこう言った。
「だからね、皆さんもひどい字幕のときは配給会社にどんどん苦情を言ってください」

え?


もう1回、え?

そのとき、どこからともなく現れたブーメランがうなりを上げ、
旋回しながら弧を描いて会場をぐるりと一周し、
なっちの後頭部にコツンと当たるのが見えた気がしたんだけど、
きっと、それは私の空目だったんでしょうねぇ。

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ベトナム旅行の続き

Day2

成田で両替したドルしか持ってないので、朝食後に両替屋に向かって歩いていた。
一応、日傘も持っていったんだけど、両手が空いてる方がいいから、
その日は大き目のつばがついた帽子をかぶっていた。
目的地の1/5も行かないうちに「その帽子すてきね。どこで買ったの?」と一人の女性に声をかけられた。

そこで一通りの観光客トークをしていると、まあちょっとここに座れと件の女は言う。
曰く、自分は普段はバリに住んでいるがおじの結婚式のためにたまたまホーチミンに来た。
自分には看護婦の妹(25歳、ちなみに本人は48歳)がいるが、
とても心根の優しい娘であるからして津波の被害があった仙台へボランティアへ行く。
一人で行くのを年老いた母が心配しているので、安心させるために日本人のあなたに紹介したい。
ついては、ここから車で20分ぐらいの場所に案内するからついて来い、と。

あ~、話が面倒になってきた。
昨日の夜中に着いてまだ何も見てないし、知らん村で足止め食ってる時間ないわ、と
平和ボケしていた私はその時は単純にそう思って丁重にお断りをして先へ進んだ。

ところで人にはそれぞれ旅のスタイルがあると思う。
私は外国や知らない場所に行くのは結構好きな方だとは思うが、
普段お出かけ好きかというとまったく違う。
できればずっと家でダラ~っとしていたい。
週に2回も飲み会があったら、もう次の週はどこへも出かけたくないほどだ。

そんな私が旅先では何をするのかというと、実は何もしないんですねぇ。
私の好きな旅のスタイルは「小さく暮らす」なのだ。

スーパーに行ったり、市場に行ったり、ギャラリーを見たり、
ぶらぶら散歩したり、公園で子供が遊んでいるのを見たり、
図書館に入ったり、映画を見たり(今回はこの2つはできなかった)
要はその町に住んでいる人がやるようなことをして、観光スポットにまったく行かないのである。
住人にとってはお金を落とさない最悪のタイプの観光客だ。
(でも、普段より財布の紐が緩くなって多少ショッピングはするぜ)
今回はこれがいっぱいできて楽しかったです。

         *  *  *  *  *

夕方からはホーチミン在住10年の友人と待ち合わせてご飯。
その時にものすごく興味深い話を聞いた。

私も知らなかったが、実は友人は数年前に脳炎を患い生死の境目をさまよっていた。
昏睡状態というか、いわゆる意識不明の状態が3週間ほど続いたらしい。
しかも、ここからが驚きなのだが、意識不明の状態と思われていたが、
なんと本人には意識があったのだと言う。
まったく体は動かせないが見舞いに来た客のことも覚えているし、
医者や看護婦が診察に来たことも覚えている。
ただし、それはすべて混濁した意識の中では悪夢に変換されていたと言うのだ。

「外からはただ眠っているようにしか見えないんでしょ?
なのに実は意識があるってどんな気分なの?」と聞くと、
「24時間覚めない悪夢って感じ」

ひえ~、恐ろしすぎる。
だって、通常悪夢って一番恐ろしい所で目が覚めるけれど、
決して目を覚ますことなく、際限なく続く悪夢が3週間…。
恐怖に叫びたくても体はまったく動かない。

なんか、そんな映画あったな~(見てないけど)と思ったのはこれな。


ところで、友人は意識不明(本当は違うけど)の間に、ある気づきがあり、
そしてやっぱり生きたい! と強く願うことがあって見事に生還を果たした。

その気づきと生きる動機を聞かされたんだけど、本当に、本当に、

ズコーってなったので、ここには書きません。

何はともあれ、もし身近な人が意識不明の状態になったら、
たとえ医者が植物状態ですと言っても、毎日話しかけたほうがいいということは分かった。
あと、話が悪夢に変換されないように、なるべく楽しいことを話すのがよさそうだよ。

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