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2010.09.14

ただの食人映画かと思ったら意外と社会派「猟奇的な家族」

Somos こんばんは。
最近、飲み屋で話したことが「非モテタイムズ」でネタにされてたアノ★Cです。
なんて私らしいエピソードなんだ。

さて、最後になりましたが「猟奇的な家族」
1回目に見たときは、カニバリズムよりも、
母親の毒親っぷりのほうが気になってしょうがなかった。
さすがにリアルの友達が「最近、わたし人肉食べてんねん」と言ったら
相当驚くだろうけど、
映画における表現だと吸血鬼と同じでしょ?
あ~、食べる人いるよねえ、みたいな。

だけど、ここで描かれている事柄は実はもっともっと多岐にわたっている。
家族の問題、セクシュアリティ、インセスト、ストリートチルドレン、売春、無能な警察。
意外と社会派なんじゃん、これ。
穿ち過ぎかもしれないけど、現代版「忘れられた人々」なんじゃないかと。
そこで、ハッと気がついたのがタイトルの「Somos lo que hay」
直訳すれば「そうである私たち」という意味。

この私たちというのは、この一家のことだけではない。
これが私たちなんです、これがメキシコ人なんです、ということじゃないだろうか。
ひいては日本も含めた現代の都会人の姿なんじゃないだろうか。
そんなことを思いました。

ここからはお楽しみ要素として、末っ子ながら兄たちを巧みに操る美少女妹に
「闇の列車、光の旅」のパウリーナ・ガイタン。

あと、みんな大好きダニエル・ヒメネス・カチョがちょっと変な役で出ています。
最初は私も気づかなかった。
何か、この人見たことあるような気がすると思ってIMDB見たらカチョ様でした。

そしてこの映画は悲しいことに次男フリアン役を演じたアラン・チャベスに捧げられてます。
彼は2009年の9月12日、つまり去年の今ごろに警察と若者との銃撃戦中に
流れ弾に当たって亡くなりました。
そういうのも含めてSomos lo que hayなのかな、と思います。

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2010.09.12

第7回ラテンビート映画祭

Paper_bird もう、スペイン・ラテンアメリカ映画祭という名称は使わないみたいです。

やっとラテンビートまで追いつきました。

急遽、映画が差し替えられたり、予定していたゲストが来なかったり、
わあわあ言うとりますが、7年もやってると、もはや動じなくなった自分が怖い。
まぁ、そういうこともあるでしょうなぁ、と即身仏のように平静な心持ちで見つめています。

さて、今年は「Paper Birds」と「猟奇的な家族」を担当しました。
ブログをやっている翻訳者の中には関わった作品のことは書かないことにしている人もいます。
そういう人から見れば、自分がやった仕事をこれも見に行け、あれも見に行け、
という私の態度を「恥ずかしげもなく」とか「臆面もなく」と思うかもしれない。
だけど、やっぱり私は思うのです。

家に着くまでが遠足であるのと同じように、「お客さんに見てもらうまでが映画」だと。

「作品が完成した」ときでも、「公開した」ときでもない。
やっぱり誰かに見てもらわないと、それは単なる色の付いた透明で細長いセルロイドのリボンだ。
なのでこれからも恥も外聞もなく、自分が関わった仕事は宣伝し続けます。
まぁ、こう考えるのは私が4年間ほど映画館で働いていたことと
無関係ではないかもしれません。

で、Paper Birdsです。
最初に見たとき映画の2/3ほど過ぎる辺りまで、主役がイマノル・アリアスだと気づいてなかった。
ルイス・オマール(今後はリュイ・オマールで行くのか?)と知らないおじさんの映画だと思ってた。
で、見始めてから1時間以上経った時点で「おや、もしかしてこの人イマノル・アリアスでは…?」と。
最近、こういう以前にはなかった自分の呆け具合に驚かされることが多い。
加齢ってホントや~ね~。

さて、私は普段から人生をサバイブするために必要な能力はユーモアだと思っている。
何か辛いことが起きたとき、人生がどん詰まりに思えるとき、
あるいは単純にお金がなくて困っているとき。
ほんの少しのユーモアさえあれば、状況はまったく変わらなくても、心の持ちようは随分変わる。
今の状況を笑い飛ばし、明日からまた頑張っていける。

そしてこの映画を見て、ユーモアはさらに武器になることを知った。

自分であることを放棄せずに、自尊心を持って生きるために
笑いを武器にして闘った男の物語、というと何だか硬く聞こえるけれど、
笑いあり、涙ありの2時間の人間ドラマ。
最後には戦争のない、憲法9条のある国に生まれてよかったと思います。

ところで、今回担当した2本ともほんのりとLGBT(というかGな)要素があるのよね。
去年からL&G映画祭をやってないので、ここで回ってきたのかな。

あと監督のエミリオ・アラゴンについて。
私にとって、この人はコメディアン系大物司会者だと思っていたので、
こういう映画を撮っちゃう人なんだ、という嬉しい驚きがありました。
よくよく調べてみたら音楽もやってるようだし、今はテレビ局の社長もやってる。
多才な人なんやな~。

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2010.09.11

見逃してはいけない

Alamar 早くラテンビートのお知らせをしなきゃなんだけど、
私の中では時系列に沿って、言っておきたいことがあるのです。

すでに終わった映画祭のこと言うのどうよ、って自分でも思う。
思うけど、やっぱりたった1回の上映で終わらせるのも勿体無い。

そう、なら国際映画祭でゴールデンSHIKA賞を受賞した「海へ」の話。

簡単にあらすじを紹介すると、都会っ子のローマ人のお母さんと、
野生児のまま大人になったメキシコ人のお父さんを持つナタン。(推定8歳)
両親の別れが決定的になり、別居前の最後の夏をお父さんの故郷であるチンチョロ礁で過ごす、
というもの。

たとえ、浜村淳並みに細かくすべてのあらすじを説明したとしても、
この映画の本質は何ら損なわれることはないでしょう。
さんご礁の海で生きる男たちの坦々とした日常が丁寧に描かれ、
私たちはナタンの目を通して、この世界のワンダーの数々を体験するのだから。

完全なドキュメンタリーではないけれど、
お父さん役を演じているのはナタンの本当のお父さんだし、
お母さん役も同じ。

おそらく、ナタンは「映画」という名の夏休みキャンプにでも、
行ったつもりだったに違いない。
その証拠にナタンが海中で見たものの絵を描いているときに、
「そうだ! カメラを忘れてた」としっかり描き加えていた。

おばちゃん、もうナタンの可愛さにメロメロにさせられてもうてなぁ…。

これ、どこかでまた上映されることを切に願っています。

El_topo
そして、もっともっと見逃してはいけない映画といえば
「エル・トポ」リマスター版でっす!
(公式サイトが見当たらない)

なんとこれはオリジナルのスペイン語版。
いつものチリ弁じゃないので、本人があててるのか判断に迷うところだけど、
多分、本人の声じゃないかしら。
あと、オリジナル版は吹き替えの声を敢えて雌雄逆にしてたりと、
さらに前衛的な試みがされており、観客は混乱させられます。

おそらくクレジットはされないと思いますが、このスペイン語版の字幕監修をしました。
といっても基本は英語版のままで、あきらかにセリフが長い箇所とか、
セリフがなかったところにあるような箇所の調整が主です。

それにしても、ことあるごとにホドロフスキー、ホドロフスキー言ってたら、
この仕事が来たので、あらためて自分の念力の強さを実感しました。
ちなみに担当者さんは私がホドロフスキー(というかシコマヒア)伝道活動をしてることを知らずに、
この仕事を振ってくれたので、私がパリまで会いに行った話をしたら驚いてたなあ。

常日ごろ、そこそこ映画好きそうなアンダー30と話していて、
あまりにもホドロフスキーが知られてないことに心を痛めてたけど、今がチャンス。
若人よ、9月25日以降はヒューマントラストシネマへ集いたまえ。

あと、製作40周年はまだいいとして(1970年公開だから、製作はもう少し前のような気もするが)
生誕80周年と書いてるところがありますが、ホド先生は1929年生まれなので81歳。
もしかしたら、本当は去年やる予定だったんじゃないか? という疑念がぬぐえない私。

まぁ、そんな些細なことは壮大な物語の前ではどうでもいいことです。
若いうちにホドロフスキーを体験して、人生を狂わせてください。

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2010.09.09

お知らせがたまっている

ふと我に返るともう9月。
ラテンビートの季節じゃないですか。
でも、キューバカフェのまとめをしてなかったので、
何ヵ月後やねんと言うツッコミが聞こえますが、
さら~っとご紹介しておきます。

ランチプレート
P6260154
この豆の煮込みは好評で、2皿食べた人もいた

デザートプレート
P6260157
ライムが効いてたパウンドケーキ

当日の様子はこんな感じ

Mesen_2 

なっちゃんコーナー
P7240162

6月の話だったんですね…。

読み返したらあまりにもさら~としすぎの愛想無しでびっくりしました。
初めてのカフェなのにたくさんの方にご来場いただきまして、
ありがとうございました。(お礼言うのを忘れてたよね、自分)

昔、勤めていた会社の同僚や、以前とてもお世話になっていたクライアントさんなど懐かしいお顔もチラホラ。
会えてうれしかったです。

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